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小川 数馬*; 向 高弘*; 荒野 泰*; 花岡 宏史*; 橋本 和幸; 西村 洋*; 佐治 英郎*
Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals, 47(11), p.753 - 761, 2004/11
被引用回数:29 パーセンタイル:61.59(Biochemical Research Methods)癌性骨転移の疼痛緩和薬剤として、ビスホスホネート化合物の一つであるHEDPに線を放出するReを標識したRe-HEDP化合物が検討されているが、血液クリアランスの遅さや胃への集積などが問題となっている。これはおもに、Re-HEDPが多核錯体であり、体内で不安定であるためであると考えられている。そこで、本研究では、安定なRe単核錯体であるRe-MAMA(モノアミンモノアミドジチオール)をビスホスホネート骨格を持つ化合物に導入した新規薬剤Re-MAMA-BPを設計・合成し、その化学的挙動を調べた。その結果、Re標識グルコヘプトン酸の配位子置換反応により、Re-MAMA-BPを標識率32.04.1%で合成することができた。また、本化合物は、緩衝液中(pH7.0)では、Re-HEDPに比べてかなり安定であった。したがって、Re-MAMA-BPは、癌性骨転移の疼痛緩和薬剤として優れた化学的特性を有していることが明らかになった。
向 高弘*; 小川 数馬*; 荒野 泰*; 小野 正博*; 藤岡 泰*; 出雲 三四六; 小西 淳二*; 佐治 英郎*
Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals, 44(Suppl.1), p.S617 - S618, 2001/05
腫瘍骨転移の疼痛緩和薬剤として、Re-HEDPが検討されているが、Re錯体の安定性が悪く、血液クリアランスの遅延、胃への集積が問題となっている。そこで本研究では、分子内にビスホスホネート構造と独立して安定なRe単核錯体を導入した新規薬剤の開発を計画し、MAMA-APBを設計した。合成したRe-MAMA-APBを緩衝液中でインキュベートしたところ、Re-HEDPに比べて安定であることが明らかとなった。また、Re-MAMA-APBをマウスに投与したところ、胃への放射能集積を示すことなく、骨への高い集積性と速やかな血液から消失を示し、その結果、骨と血液との放射能集積比を大きく向上した。以上の結果は、骨を標的とする放射性薬剤の開発に有用な知見を与えるものと考えられる。